京都の宇治という地名は、旧くはうさぎの道、“菟道” と書いて “うじ” と読んだことに由来します。そのため宇治にはうさぎにゆかりのあるスポットが数々存在します。可愛いうさぎのおみくじや縁結びのご利益をいただける、うさぎ好きなら行ってみたい宇治のパワースポット3社寺をご紹介します。
「宇治」ってどんなところ?
神の使いのうさぎが守り神をこの地に案内したことから、うさぎの道“菟道(うじ)”と呼ばれるようになったといわれる宇治。JR京都駅から奈良線で約30分、京都市の南にある伏見区の隣に位置し、源氏物語宇治十帖の舞台であり、お茶の産地としてもよく知られています。
宇治一番の観光名所、平等院への参道には、名物宇治茶を使った甘味処やオシャレな和雑貨のお店などが並び、市内中心を流れる宇治川沿いの小道には源氏物語ゆかりの地らしく、作者の紫式部の像や物語の登場人物のモニュメントが建てられています。京都市内の喧騒から離れて、ゆっくりと散策しながら観光が楽しめるのんびりしたエリアです。
“みかえり兎”の「宇治神社」
”菟道“のうさぎスポットとして、まず訪れたいのは、ここ朝霧橋の左奥に見える鳥居の宇治神社。宇治川を挟んで平等院の対岸、宇治川右岸にあります。
宇治神社は宇治の地の守り神、兎道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)をご祭神としてお祀りしており、本殿には神様の使いとされ、正しい道や良縁へと導いてくれる「みかえり兎」の像が置かれています。
“振り返り、振り返り、宇治の地まで兎道稚郎子命の道案内をした”と云われる「みかえり兎」の像。後ろを振る独特のポーズはそこから由来しています。
そして宇治神社には、みかえり兎の形のおみくじがあるので、ぜひ可愛い一羽を引いて連れ帰りましょう!
※うさぎは一匹ではなく一羽と数えます。
願を叶える「うさぎさん巡り」にチャレンジ
おみくじを引いた後は、「うさぎさん巡り」にチャレンジ。賽銭箱前のみかえり兎に願い事をし、うさぎ絵馬に願い事を書き、本殿のまわりを時計回りに3周巡ります。
その間に3つのうさぎを見つけられたら、その願いは叶うと言われています。3つのうさぎとは、ひとつは賽銭箱前のみかえり兎によく似たもの、後の2つはみかえり兎ではない普通のうさぎの置物なんだそう。
実物大のうさぎならすぐに見つけられるだろう、と思った私は神社の方のヒントを断り、勇んで巡りはじめたのですが…
1周まわった時点で1羽だけ発見。
2周目は、この写真の、本殿右側にある宇治神社のパワースポットで大地のパワーをいただいてまわったのですが、全然見つけられず…。
困った私はやっぱり、とうとう神社の方に助けていただき、3周目でやっと残りの2羽を見つけることができました。
神社の方によれば、助力なしで見つけられる人は全体の約半分なのだとか。
約半分の人が見つけられないと聞いて、ホッとする私…。
兎に角!人に聞いて見つけても、3周の間にうさぎを見つけることができればその願いは神様が聞き入れて下さるそうですので、安心してうさぎさん巡りに挑戦してみましょう。
世界遺産「宇治上神社」
続いて訪れたいのが、宇治神社の隣りにある世界遺産「宇治上神社」。
神社建築としては日本最古の平安時代後期に建てられた本殿があり、鎌倉時代に建てられた拝殿とともに国宝指定されています。また神社の後ろの木々の景観を含めた境内の地、建物全てが世界文化遺産に登録されているという格式高い神社です。
ご祭神は、宇治神社と同じく宇治の守り神である兎道稚郎子(うじのわきいらつこ)とその父君の応神天皇、兄君の仁徳天皇の3柱で、ご利益は学業成就、勝負運、縁結びなどとされています。
「宇治上神社」のカラフルなうさぎおみくじ
そして、宇治上神社の歴史ある格調い境内で、ちょっと周りと雰囲気が違うのがお守り売り場。
バーンと目を惹かれるピンクの大きなうさぎのぬいぐるみに、奥には犬のぬいぐるみやパステルカラー調のお守り…と、あまり一般的な神社では見かけない可愛らしい物体や色が並んでいます。
そしてこの、お盆にのった白、黄、ピンク、水色と4色の小さなうさぎたちは、
おみくじなんです!
思わずかじってしまいたくなる砂糖菓子みたいなスウィートさですよね。(もちろん食べられませんけど)
おみくじは「いつの」「何を」を、神様に占っていただきたいのか思い浮かべながらひくのだそう。その「いつの」によっておみくじを持っていなければならない時間が変わり、「来年の」なら来年1年間、「今日の運勢」なら今日1日は持っているようにし、その後、近くの神社に結びに行きます。結ぶのはひいた神社でなくもよいとのこと。
では「今年1年の…」と思い浮かべて、ピンクのコをひとつ引いてみます。
なんと!また(宇治神社に引き続いての)大吉でした!!
「龍が風や雲を得て天に昇るように出世します辛抱が第一です」とありました。よっしゃ、このおみくじを1年持って頑張ります!
色さまざまな御朱印もかわいい
宇治上神社には「奉書」と呼ばれる一般的な御朱印の他に、紫式部にちなんで紫の紙に書かれた「離宮」御朱印、宇治茶にちなんだ緑の紙の「茶加美」御朱印、その時々の季節限定の御朱印など全部で23種類もの御朱印があります。その季節ごとに色が違うので、ついつい通ってコンプリートしたくなっちゃう種類の多さです。
今回私は「離宮」と季節の御朱印、春の「花」2枚をいただきました。
「離宮」にはこのように日付が入りますので、旅のよい記念になりますね。
「宇治上神社」で縁結び
思う相手に出会えてない人も、思う相手がいる人も、片思いでも両思いでも、兎に角!素敵な相手との縁が結ばれるように、ここ宇治上神社では縁結びをお願いしてみてましょう。
よいご縁が結べるご利益大!と最近ウワサの宇治上神社です。
あじさい寺「三室戸寺」の“福徳兎”
あじさい寺として有名な三室戸寺にもうさぎがいます。
「福徳兎」という、うさぎが抱えている球の中に石の玉子が入っていて、その玉子が立てられれば、運気が上がり足腰健全になるのだそうです。
恋みくじとあじさい絵馬
三室戸寺のおみくじは源氏物語宇治十帖にちなんだ、恋愛運専門の「源氏物語恋おみくじ」。
「いつ」「誰と」を思い浮かべながら、ひいてみてくださいね。よい結果が出ますように!
あじさいの季節には2人で仲良く、恋が成就するといわれる”ハート型のあじさい”を見つけに、三室戸寺を訪れてみましょう。
うさぎ好きなら宇治川右岸へ
今回巡った宇治神社、宇治上神社、三室戸寺は宇治川右岸にあり、この3社寺だけでしたらJR宇治駅から2、3時間で歩いて回れます。
さわらびの道と呼ばれる宇治上神社横の小道には、源氏物語宇治十帖の早蕨(さわらび)古跡もあり、落ち着いた雰囲気の中、散策が楽しめます。宇治を訪れるなら、左岸の平等院とともに、可愛いうさぎたちに会いに、ぜひ右岸へも足を伸ばしてみましょう。
宇治神社【うじじんじゃ】
参拝時間:9:00~17:00
Web:http://uji-jinja.com/
住所:京都府宇治市宇治山田1
宇治上神社【うじがみじんじゃ】
参拝時間:9:00~16:30 特殊日を除く
住所:京都府宇治市宇治山田59
西国第十番札所 明星山 三室戸寺【みょうじょうさん みむろとじ】
参拝時間:8:30~16:00 季節により変更あり
Web:https://www.mimurotoji.com/
住所:京都府宇治市莵道滋賀谷21
おまけPHOTO
宇治川左岸の世界遺産、10円玉に描かれている平等院鳳凰堂。
宇治川右岸と中州の橘島をつなぐ朝霧橋。
さわらびの道。
耳をさわれば福がくる、髭を撫でれば健康長寿、尻尾をさすれば金運がつく、とされる蛇の体を持つ三室戸寺の宇賀神。
宇治らしい自動販売機。
江戸前大阪寿司、のような、宇治(茶)駿河屋。