/高知のソウルフード!芋屋金次郎と水車亭の「芋けんぴ」

高知のソウルフード!芋屋金次郎と水車亭の「芋けんぴ」

サツマイモを油で揚げて、砂糖でからめた素朴なお菓子「芋けんぴ」。

高知県では絶大なる人気を誇り、県内ならどんな山奥の小さなお店でも必ずといっていいほど売られています。だんらんには欠かせない、高知のソウルフードと言えそうな土佐名物菓子・芋けんぴ。しかも県内にはたくさんのメーカーが集まって、しのぎを削っていることから、とにかく高知の芋けんぴはおいしいんです!

芋けんぴ嫌いの人も、芋けんぴ好きになってしまう(実際私がそうでした)、「まっこと、こじゃんとうまい!」芋けんぴ屋さん2軒、「水車亭」「芋屋金次郎」を紹介します。

 

地元高知人に人気の高い「水車亭」(みずぐるまや)

まずは 芋けんぴ好きの高知県民から圧倒的に支持されている「水車亭」(みずぐるまや)。四万十川の奥座敷と呼ばれる四万十町窪川で、昭和41年から店を構える芋けんぴの老舗、南国製菓(株)の直営店です。

水車亭で目を惹かれるのはまず、まるでホームセンターの園芸土(!)のように店外に積まれた芋けんぴの山です。

「高知では主食は芋けんぴなのか!?」と思ってしまうほど、水車亭では1.2㎏入りや1㎏入りの大袋が山と積まれて売られています。

「こんなたくさん、食べられないでしょ…?」と、豪快すぎる水車亭のディスプレイに唖然としている観光客を尻目に、地元の人が慣れた手つきでドサドサッと、1袋ならず2、3袋の大量の芋けんぴをカゴに放り込んで行くのも、ここ水車亭ならではの圧巻の眺めです。

 

芋けんぴ!芋けんぴ!!芋けんぴ!!!

水車亭で一番人気なのが、こちらの「塩けんぴ」。地元高知産の室戸海洋深層水が芋けんぴの甘味をより引き出し、コクのある甘さに仕上げています。

水車亭で一番出るのはこの1㎏だそうですが、他に465gもあります。また観光客向けには、お気軽&お手軽な200gもありますので、お土産に買って帰れますよ!

水車亭の店内に入れば、黒糖、ゆず、青のり、黒ごま、といろいろな味の芋けんぴが並び、芋けんぴフリークなら卒倒してしまいそうな品揃えです。

芋けんぴの他にも、芋を使った各種お菓子も人気です。また試食も充実しているうえ、無料のお茶サーバーを設置した広いカフェスペースまであり、ゆっくりくつろげます。なんという太っ腹サービスなのでしょう!高知を訪れた際には四万十の名店、水車亭へは絶対立ち寄ってみてください。

 

女子に人気!オシャレな芋舗「芋屋金次郎」

次におすすめしたいお店が、仁淀川沿いの日高村に本社がある「芋屋金次郎」。

「芋屋金次郎」は昭和27年に創業して以来、芋けんぴひとすじ、芋けんぴ製造シェア日本一の澁谷食品(株)が手がける自社ブランドで、高知県外にも愛媛・松山、香川・高松、東京・日本橋にお店があります。

「芋舗」と銘打つだけあり、芋屋金次郎の店内にはサツマイモを使ったオシャレなお菓子がいっぱいです。

焼き立てのつやっつや窯出しスイートポテトに、

安納芋のモンブラン。

高知産のジャージー牛乳と紫イモを使ったリッチな味わいのソフトクリーム。

砕いた芋けんぴを使ったけんぴスイーツ。

バラエティに富んだ色々なスタイルの芋けんぴなどなど、芋屋金次郎には女子ウケするかわいい芋スイーツが目白押しで、いつも店内は賑わっています。

芋屋金次郎では、各種スイーツや芋けんぴの試食もできます。芋屋金次郎を初めて訪れた方でも、自分の好みに合った味の芋けんぴを選べるのは嬉しいですね。コンビニやスーパーでは出合えないような味を、ぜひ試してみてください。

芋屋金次郎の店内奥には、無料のお茶が飲めるスペースも。明るく心地よい店内で、くつろぎながらお土産の品定めができますね。

 

「芋屋金次郎」のホクホクおいしい「揚げたて芋けんぴ」のヒミツを探る!

そして、芋屋金次郎に来たら絶対に食べてみてほしいのが、この「揚げたて芋けんぴ」です。実店舗でないと買えず、他の芋けんぴとは一線を画するホクホク感が味わえる、フレッシュな芋けんぴ。

何をかくそう、芋けんぴギライだった私を変えてしまった、とにかくおいしすぎる商品なのです!

どうしてこんなにおいしいのでしょう…?

芋屋金次郎の日高工場では、毎朝6時頃から約2時間かけて、その日に販売される名物「揚げたて芋けんぴ」を製造しているとのことなので、早起きしてそのヒミツを探りにいってみました。

食品工場なので、写真右上の方のように完全防備でエアシャワーの強烈な風を浴びて、芋屋金次郎の工場見学スタートです!

(▲画像提供:芋屋金次郎)

芋屋金次郎の芋けんぴには、この「黄金千貫(こがねせんがん)」という白いサツマイモが使われています。収穫期は8月中旬から11月のため、下揚げして低温保存したものを使います。

シンプルな製造方法の芋けんぴだけに、芋の品質は最重要ファクター。この下揚げの状態に、芋けんぴひとすじ60年超の澁谷食品・芋屋金次郎のノウハウがぎっしり詰まって、すでに旨みのあるおイモになっています。

去年の10月19日に収穫されたというこの素揚げされたおイモを一本いただいてみましたが、低温保存されているだけとは思えないほどおいしかったです。これだけでも十分食べれちゃいますけど、私!

このおいしいイモを、芋屋金次郎の職人さんがその日の気温や湿度、芋の状態に合わせて細かく時間や温度を調整した油で揚げていきます。

仕上げの揚げは、黄金色になるまでしっかりと。

サクっと本揚げされたおイモは、グラニュー糖のプールへ。

芋屋金次郎の熟練の職人さんによって、糖蜜プールに沈められ、素早く蜜切りされます。芋けんぴの味付けはこれだけなので、実はこれが味を決める最重要ワザなのです。

蜜切りされた芋けんぴ。最後に乾燥機にかけられます。

乾燥機から出てきて、

折れたものがないか検品して完成です。

芋屋金次郎の芋けんぴは一本がこんなに長い!のも特徴です。砂糖のコーティングなのにしつこくなくて、芋のホクホク感と甘さが噛むほどに出てくる「揚げたて芋けんぴ」、まっこと旨いぜよ!

 

配送不可!「芋屋金次郎」店舗でしか食べられない貴重な芋けんぴ

このように、その日のうちに揚げられたホクホクの芋けんぴなので、発送は不可。店舗でないと購入できませんので、芋屋金次郎に来たら必ず買って帰りましょう!

芋、油、砂糖の3つしか使っていない素朴な昔ながらのお菓子ですので、小さな子供のおやつにも最適です。

芋屋金次郎の日高工場では、日高店、卸団地店で販売される分の「揚げたて芋けんぴ」を作っていますが、松山、高松の店舗でも店に併設された揚げ工房でおいしい揚げたてが作られています。

東京の方は、コレド室町2にある日本橋店で食べることができます。揚げ油にオリーブオイルを使った、日本橋店限定「揚げたて芋けんぴ」をぜひ試してみてくださいね。こじゃんと旨いですよ!

高知に行ったら、芋けんぴ激戦区で高い人気を誇る2軒をぜひ訪れてみてください!芋けんぴのおいしさを再発見できるはずです。

 

水車亭【みずぐるまや】

営業時間:8:00~20:00 年中無休
Web:http://www.nangokuseika.com/
住所:高知県高岡郡四万十町古市町9-30

芋屋金次郎 日高本店【いもやきんじろう ひだかほんてん】

営業時間:10:00~19:00 年中無休
Web:http://www.imokin.co.jp/hidaka
住所:高知県高岡郡日高村本郷573-1

おまけPHOTO

高知土産の芋けんぴ奥の壁には、芋けんぴの原料コガネセンガンが描かれた絵があります。