こんにちは、まめてっぽーです。昨日はブラックフライデーでリアルショッピング、来週月曜はサイバーマンデーでネットショッピングをたくさんしましょう!という週まわりらしいですね。とは言ってもまだボーナスが出たわけじゃなし、先立つものがなければ何も買えませんよね。日本では根付くのかどうか分からない11月終わりのショッピングウィークですが、フィンランドではクリスマスプレゼント商戦の始まり!と盛り上がっているようです。冬の長いフィンランド、首都ヘルシンキではカルシウム不足にならないように、栄養たっぷりのコオロギパン(!)を売り出し始めたとか。
さて、今回も夏のフィンランドのふりかえり編です。17世紀スカンジナビア製鉄業の中心地だったヘルシンキから車で1時間の別荘地、ファーガーヴィク村(Fagervik)を紹介します。
- 場所
- フィンランドでバイク乗りに人気のキングスロード
- フィンランドで最古の工業村、ファーガーヴィク
- 1773年に建てられた歴史ある領主の館
- 昔が偲ばれる小川
- 1737年に建てられた村の教会
- 村に1軒だけあるカフェは歴史博物館
- 珍しい品々が残る博物館
場所
フィンランドでバイク乗りに人気のキングスロード
フィンランド国内は殆どが平原で、一番高い山でも標高1300m程度。同じスカンジナビアでも、お隣の峻嶮な山々を持つノルウェーとは全く違うなだらかな丘陵に森、時々湖というまったりした景色が続きます。(北部フィンランドからノルウェーに国境越えすると、いきなり山ばかりになり、地形の変化を面白いほど体感できますよ。)
そんなのどかなフィンランドの平原を、西部の古都トゥルクからロシアのサンクトペテルブルクまでつないでいるのが、王の道、キングスロード。バイカー好みのワインディングが多い快走路で、夏は多くのバイク乗りたちがこの道を走っています。
ヘルシンキから車で1時間のファーガーヴィク村へは、このキングスロードを通って向かいます。
フィンランドで最古の工業村、ファーガーヴィク
フィンランドでは元々は針葉樹の原生林しかなかったらしいのですが、16世紀頃からスウェーデンからの入植者が入り始め、広葉樹や果樹を植えて開墾していきました。
なので、フィンランドでは針葉樹しかなければそこはフィンランド人の地域、広葉樹があればスウェーデン系の地域、とすぐに分かるんだそうです。
Fagervikという村の名前の意味は “美しい湾”。昔のスウェーデン語でfagerが “美しい”、vikが “湾”という言葉なのだそう。
ファーガーヴィク村の歴史は1646年に始まります。スウェーデンのストックホルムに住んでいた豪商が製鉄を産業にするためスウェーデン国王の許可を受け、この土地に溶鉱炉をつくり、村のはじまりとなりました。
ですので、ファーガーヴィクには広葉樹の大木がたくさん見うけられます。
1773年に建てられた歴史ある領主の館
この村一番の見どころは1773年から続く広大な領主の館。外からでも公園のような広いバロック様式の庭の奥にある優雅な噴水が見えます。時期によっては、一般にも公開されている日もあるようです。
ここから先は私有地になるので入れませんが、向こうに大きな領主の館の本館など、英国風の重厚な建物群があるのが見えます。
拡大してみましたが、うーん…よく見えませんね。
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AFagervik
正面からの画像をお借りしてみました。正真正銘、貴族の館ですねー。ブラジリエの絵に出てくる館みたい。うーん、一般公開日にじっくり見学してみたいなぁ。
ちなみに、ここファーガーヴィクから北に少し行ったところにあるスヴァルター村の領主の館は、現在はホテルになっています。宿泊できますよ!
人気なので夏はすぐに埋まってしまうらしいですが、こんな歴史ある素敵な建物に泊まって当時の上流階級の暮らしにふれてみたいですよね。
乗馬やカヤック遊びも楽しめるらしいです。
昔が偲ばれる小川
溶鉱炉を動かすには水車が使われ、水車を動かすには豊富な水が必要であり、ファーガーヴィクにはその恵まれた地理環境を生かして、たくさんの溶鉱炉や鋳物工場、製材所などが造られました。18世紀の最盛期にはスカンジナビア半島でも有数の大工業地区だったそうです。
今は静かな別荘地となり、もう工業村としては成り立っていません。
が、村を流れる川のところどころに残る石造りの水車小屋や、かつては水車小屋にすごい勢いで水を送っていたであろう苔むした太い水道管に当時が偲ばれます。
1737年に建てられた村の教会
1737年に建てられた村の教会。北欧の古い伝統的な建築様式です。こちらも個人所有物件。そのため入られる日は限られますが、教会ですので、門があいていれば中に入ってもいいのだそうです。
通常フィンランドの8月はからっとした気持ちの良い晴天が続きますが、今年の夏は熱帯のスコールのように、いきなり雨がザーッと降ってきては止む、ということが多かったです。
理由は南欧が異常に暑くなったため地中海で雨雲がもくもくと湧きあがり、それが全部北欧に流れてきて、雨が多くなっているのだそう。
日本では毎年猛暑が続いていますが、フィンランドでは雨の多い夏が続いており、近年は世界的に異常気象なんですねぇ…。
訪れた日は残念ながら門が閉まっており、中には入れませんでした。
ひと雨来た後の青い夏空。18世紀のフィンランドの面影が今に残る歴史地区、ファーガーヴィクの村。
今は静かな別荘地となっています。
モッキと呼ばれるフィンランド人が休暇を過ごすサマーハウスは、湖に面した物件がやはり人気高。そのため湖がないファーガーヴィクのモッキは比較的お求めやすいんだとか。(とはいっても物価の高い北欧、日本人からすればかなり高いんでしょうね!)
村に1軒だけあるカフェは歴史博物館
村に一軒だけあるカフェは博物館を併設しています。
ショーケースには北ヨーロッパ的質実剛健なパンやパイが並べられています。
フィンランド名物シナモンロール。フィンランド語ではコルヴァプースティ(korvapuusti)と言って、ビンタされた耳という意味です。
形がビンタされた耳に似てるから、ってフィンランド人はそうしょっちゅう人の耳をビンタしてたんかい……。
このシナモンロールを食べてコーヒーを飲むとフィンランドに来た!ってつくづく体で感じます。どんな小さな村のカフェにでもありますので、フィンランドに来た際にはぜひお試しを!どこで食べても美味しいですよー。
珍しい品々が残る博物館
こちらが博物館の入り口。無料です。受付の後ろの肖像画は18世紀のファーガーヴィク村の領主のHisinger夫妻。(男爵とか侯爵とか爵位がつく階級だと思いますが、説明がなく詳細不明。)
18世紀~19世紀頃に使われていた道具が展示されています。
こんなに長い木のスキーって初めて見ました!
この写真は19世紀に入った頃の村の領主ファミリー。
こちらはファーガーヴィクの村をスカンジナビアでも有数の製鉄鍛冶のまちにしていった17~18世紀に生きたHisinger家のみなさん。
上記の方々がご使用召されたであろうトイレや洗濯おけなども展示されています。
これは19世紀頃のタイムカード。
毎日誰がどのくらい働いたのか達筆で細かく記されておりこれを基に賃金が支払われたのだそうです。
展示物を興味深く見ている間、うちのおバカ息子は幼児用の遊具で大喜びで遊んでました…。
キングスロードを通るバイク乗りたちもカフェで一休み。
今日はここまで!です。読んでくださってありがとうございました。
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