/とうちゃんのブリは日本一!愛媛・戸島のかあちゃんのブリ料理専門店「とじま亭」

とうちゃんのブリは日本一!愛媛・戸島のかあちゃんのブリ料理専門店「とじま亭」

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ブリの養殖生産地として名高い愛媛県。中でも県南部、宇和島市沖にうかぶ戸島は漁業者の殆どがブリ養殖に従事しており、特産「戸島ブリ」の産地として知られています。

激しい潮流にもまれて育った「戸島ブリ」は、ひきしまった身にたっぷりと乗った脂に、さっぱりとした旨味が特徴のブランド魚。秋から春にかけての旬のシーズンにはほぼ毎日、戸島から全国各地の料理店やスーパーなどへ向けて出荷されています。

そしてシーズンの秋が来ればブリを知り尽くした、戸島のかあちゃんのお店がオープンします。宇和島の人たちは、このお店が開くと秋の訪れを感じるんだとか。

宇和島のブリ料理専門店「とじま亭」で、戸島の元気なかあちゃんたちにおいしいブリの食べ方についてお話をうかがいました。

(▲左から徳久由久子さん、藤川美保さん、藤川亜矢子さん)

 ブリ料理専門店「とじま亭」で戸島ブリをチェック!

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宇和島駅から徒歩5分程度のところにある「とじま亭」は、秋~春のブリのシーズンのみ営業するブリ料理の専門店。

おいしい戸島ブリがリーズナブルな値段で食べられると評判のお店です。

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戸島ブリの生産者、うわうみ漁協戸島支所の女性部の8人が順番で3人ずつ、毎朝戸島から宇和島まで、ブリと一緒に海を渡って料理を提供しています。

名物のぶり定食は、ブリの刺し身に炙り、ブリかつ、ブリ大根、ブリのカルパッチョ、それに味噌汁とごはん、とブリづくしです。

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見てください!きめ細かく脂がのったこの美しい肉質!

ぷりっぷりの歯ごたえが絶品です。ブリづくしのメニューなのにさっぱりしていて、しつこくない。どんどん箸がすすんでしまいます…。

養殖ブリというと「くさみがあって、弾力がない」などと言われたりしますが、「戸島ブリ」には全くあてはまりません!

甘くてさっぱりした脂が、引き締まった身に香り高くたっぷりと乗った ぬく  極上のブリ。それが「戸島ブリ」なのです。

「 戸島ブリ」のふるさと戸島とは?

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「戸島ブリ」のふるさと戸島は、細長いリアス式の三浦半島奥の、宇和海国立公園内にあります。周辺海域の水深は60mで豊かな海のミネラルが海底から湧き上がり、魚が育つのに最適な好漁場となっています。

加えて、三浦半島と戸島との間の狭い水道を通り抜ける海流は、激しく複雑な潮の流れを生み出しており、戸島湾にはいつも3方向から新鮮な潮が流れこんでいます。

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そのためくの字の形をした戸島湾内は海水の入れ替わりが早く、いつもきれいな海水で満たされています。

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そして、戸島湾内に流れ込む早い潮の流れは、そこに浮かぶイケスに育つブリの運動量を豊富にし、尾の付け根まで肉をひきしめます。

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戸島のブリ養殖生産者は全てが規模の小さな家族経営。家族だけで管理できるように、イケスは一家につき最大8基までと決められています。

5基くらいのイケスを管理している家が多く、一つのイケスにつき、約3,000匹の魚が入っているのだそう。

f:id:tepo1173:20181009130758j:plain 各家庭のイケスで、わが子を育てるように愛情たっぷりに育てられたピチピチの「戸島ブリ」。引きしまった身と甘くてさっぱりした脂の乗りが特徴です。

ブリ生産者に嫁いで約30年、藤川亜矢子さん

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「おいしい戸島ブリをいろんな人に食べてもらいたい!」と、ブリ料理「とじま亭」を始めたのが、こちらの 藤川亜矢子さん、57歳。(若い!)

兄嫁の藤川美保さんと、他戸島のかあちゃんたち6人のメンバーでお店を切り盛りしています。

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大阪で生まれ、高校卒業まで大阪で育った藤川さん。ご両親の出身地である戸島でブリ養殖業者のご主人に出会い、結婚して今年で37年。ブリに携わること37年のブリのプロです。

大きなブリを包丁一本、ぐいぐい華麗にさばいていく藤川さんですが、最初に戸島に来た時には魚の目が怖くてさわることもできなかったのだとか。

養殖産業を父ちゃんたちの後ろで陰ながら支えていた藤川さんたち、戸島のかあちゃんでしたが、平成12年頃のブリの価格の大暴落をうけ様子が変わります。うわうみ漁協の戸島婦人部が立ち上がり、ブリの加工品をつくったり、イベントでブリ料理を披露するようになりました。戸島のかあちゃんたちが島から出て、積極的にブリの販売に関わるようになっていったのです。

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「父ちゃんたちを助けたい、っていうかなんとかしなきゃって思ったの」と藤川さんは当時をふり返ります。

「父ちゃんたちが一生懸命育てたブリなのよ!『どんだけおいしいのかみんなに分かってもらいたいのよ!』って母ちゃんたちが立ち上がったの(笑)」と明るく笑う藤川さんですが、当時は相当苦労された様子。

そして、県内各地のイベントでブリ料理をふるまいながら戸島ぶりのPRをするうちに、店をやらないか?という話が持ち上がり、6年前の10月10日、”ととの日”に戸島ぶり専門料理店「とじま亭」がオープンしました。

今ではブリの味にはうるさい宇和島人が「おいしいブリを食べるならここ!」とおすすめする人気店になっています。

おいしいブリの見極め方とおいしく調理する方法

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藤川さんにおいしいブリを見分けるコツについて聞いてみると、

「いいブリは切ってみれば分かるんだけど、ねちょっとしてないからサクサク切れるし、それにドリップが出ないのよ。だからスーパーで売られている切り身の場合は、ふっくらつやがあってドリップがあまり出ていないもの(=敷いてあるシートが赤く染まってないもの)を選ぶといいわね」とのこと。

※ドリップ=魚の体液。赤い色をしているため血と間違えられるが、たんぱく質。うまみ成分を含む。

また、ドリップが出ないように手早く調理するのが魚料理の決め手とのこと。つまり、照り焼きなどの焼魚には、軽く塩をふって魚のくさみだけを出し、他の旨味は逃がさないように、ペーパータオルなどで水分を拭き取っておくのがポイントだそうです。 

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そして忙しい主婦におすすめよ、とフライパンひとつで出来るかんたんレシピ「ぶりの照り焼き丼」を教えてもらいました。

戸島の暮らしを守り、次の世代につなげていきたい

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宇和島まで定期船で通っている藤川さんたちは、船の時間に合わせて通常2時頃には店を閉め、戸島へと帰ります。

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宇和島港から戸島までは高速船で約1時間。本土との行き来が不便な離島のため、過疎化がすすんでおり、現在の島の人口は約300人。ですが、それゆえの大自然が残っており、海の恵みをそのままに感じられるところです。

「島での暮らしは不便なことも多いけど、島全体がでっかい家族のようで絆が強いし、やっぱりブリづくりに一生懸命な父ちゃんがいるこの島が好き。

父ちゃんのブリのおいしさをいろんな人に知ってもらって、戸島のブリ産業を次の世代へつなげていけたらなって思ってるんだけど。さあて、どうでしょう…?

とりあえず、自分が今できることを頑張らないとね!」と、明るい藤川さんはいつも前向き。

戸島の豊かな海と、父ちゃん母ちゃんがわが子のように手間ひまかけて愛情いっぱいに育てあげた、愛媛の極上の冬の味覚「戸島ブリ」。

愛媛を訪れた際には、ぜひ宇和島の「とじま亭」で食べてみてくださいね。

鰤料理「とじま亭」

愛媛県宇和島市恵美須町2-2-8

090-9556-1040